ただし、この歯周組織再生療法には限界がある。大半の歯の根が露出しているような重度の歯周病には適さず、それ以上悪化しないようにする手だてしかなくなる。
歯周病が進行するスピードは比較的緩慢で、数年単位で進行することが多い。そのため自覚症状に乏しくなってしまうわけだが、少しでも歯がぐらつくようになったり、歯茎から出血しているのが分かったりしたら、すぐに診察を受けたい。
「10年間、歯周病にも虫歯にもなったことがないという人がいます。でも、いずれも感染症の一種であり、この後の10年間もならないという保証はどこにもありません。毎食後の歯磨きと、保険が利く定期的なメンテナンスで予防ができ、自分の歯で生涯暮らせるようになるのです」(今枝院長) =つづく
▽今枝誠二(いまえだ・せいじ) 2004年、東京医科歯科大学歯学部卒業。23年からアイムスデンタルクリニック院長に。著書に「現役歯科医が警鐘 こんな歯医者に行ってはいけない」がある。
(伊藤博之/ジャーナリスト)