顔の赤みが引かない…「酒さ」に悩む患者が急増している

女性に多い

「この薬は元々、がん性皮膚潰瘍臭に対する治療薬として使われていました。抗炎症作用・免疫抑制作用によって慢性的な肌の炎症を抑えます。漢方薬と併用しながら1日1~2回塗布すると、4週目ごろから赤みが改善され始めます」

 50代の女性は、半年前から顔の赤みが悪化し受診した皮膚科で酒さと診断された。メークでカバーできないほど症状が強く、人前に出るのがつらいという。ロゼックスゲルの塗布と漢方薬の服用を半年間続けたところ、周囲からはまったく赤みに気付かれない程度まで改善した。

 ただ、ロゼックスゲルは妊娠3カ月以内の人や授乳中の場合には処方できない。治療を希望する際は医師によく相談する。

 また、酒さを改善するには、治療薬の他にも日常生活の改善も欠かせないという。

「症状を悪化させる原因は人によって違いますが、多くの人にいえるのが熱いお湯でのシャワーを避け、洗顔の際はしっかりと泡立てて摩擦が少ないようにしましょう。また、これからの時期は紫外線が強くなりますが、紫外線は窓を通過します。自宅で過ごしている時も顔に日焼け止めをしっかり塗り、外出時は日傘や帽子で対策を行ってください」

 まれではあるが、酒さは長年放置すると、「鼻瘤・腫瘤型」と呼ばれるニキビのような丘疹が集まって塊となり腫瘤を形成する。すると鼻は団子鼻のように変形し、鼻呼吸がしづらくなるなどの機能的な問題が生じる恐れがある。単なる肌荒れだと過信せず、適切な治療を受けたい。

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