日本版「足病医」が足のトラブル解決

足裏にできたタコが痛い…削ってもいいのでしょうか?

写真はイメージ

 本来、足裏は体重を均一に支えていますが、何らかの原因で骨の突出部に過剰に圧がかかり続けると、皮膚の角質が盛り上がり硬くなる「タコ」ができやすくなります。医学的には「胼胝」と呼ばれ、足の変形やサイズの合っていない靴の着用のほか、足を使うスポーツ選手に多く見られます。

 ある60代の女性は、趣味でママさんバレーを20年間続けていて、長年足の裏のタコに悩まされていたといいます。皮膚科でタコを削ると一時的には痛みが和らぎますが、バレーボールをするたびに痛みが再発し、台所仕事で立っているのもつらいと受診されました。診ると、加齢による足変形のほか、痛みで歩かなくなることで足がむくむ「廃用性浮腫」のため、本来の足のサイズよりも大きい靴を履いていました。靴の縁に足が当たるのを避けるために緩い靴を履くと、靴の中で足が滑らないよう無意識のうちに足に力が入って圧がかかるので、タコはさらに成長していきます。

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田中里佳

田中里佳

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

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