役に立つオモシロ医学論文

ダイエットで朝食を抜くことは糖尿病のリスクを高める? 12.8万人を対象に研究

朝食を抜くと…

 糖尿病は、世界的に増加している生活習慣病のひとつです。日本は、世界で9番目に糖尿病の患者が多い国で、その原因として食習慣の欧米化などが挙げられています。食習慣と糖尿病の関連性を検討した研究データは、これまでにも数多く報告されています。近年では、食事内容だけでなく、食べる速度や食事のタイミングなど、食行動に関する研究データも増えてきました。

 ただし、一連の研究報告は、主に欧米人を対象に実施されていました。

 日本人は、欧米人と比較すると肥満患者が少なく、BMI(体重と身長に基づく体格指数)も低い傾向にあります。そのため、欧米人を対象とした研究成果が、そのまま日本人にも当てはまるかどうかについては議論の余地がありました。そんな中、日本人における食行動と糖尿病の関連性を検討した研究論文が、アジア糖尿病学会誌の電子版に2024年4月2日付で掲載されました。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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