病気になりたくなければ怒りを手放せ

カチンときたら口角を上げる

 さらに、相手に気持ちを伝える際は「私」を主語にしましょう。例えば、「なんで君は報告がいつも遅いんだ」「あなたたちの要求は無理だ」というのは、主語が「あなた」や「あなたたちの仕事」であり、「私」ではありません。そのため、断定や評価のニュアンスが入ってきてキツい印象になります。

「私は君の報告がいつも遅いので困っているんだ」「私にはあなたたちの要求は無理だと感じるので(私は)悩んでいる」と、「私」を主語にしてみてください。評価や断定ではなく、「私が感じる」「私は思う」という伝え方になり、同じことでもマイルドに聞こえます。ぜひ試してみてください。

▽奥田弘美(おくだ・ひろみ) 精神科医。日本医師会認定産業医。山口大学医学部卒。都内20カ所の企業でビジネスパーソンの心身のケアを行いながら、「銀座スキンクリニック」ではコーチング・カウンセリングも行う。著書多数。5月16日には新著「女医が教える 働く男の怒りと疲れをパワーに変える処方箋」(メディカルトリビューン)を発売。

2 / 2 ページ