脳を育てれば健康になれる

<第1回>決まった時間と場所での勉強は効率が悪い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、脳への関心が高まっている。書店でも脳科学の本が平積みされ、テレビの教養番組だけでなくバラエティー番組でも脳科学が取り上げられるようになってきた。

 その原因のひとつは「脳細胞は20代前半以降減少し続ける」という医学常識が脳科学の進歩で過去のものになったためだろう。

 いくつになっても、その人の行動や習慣によって脳が成長していくことが明らかになり、脳の使い方(考え方)次第で寿命が延びる可能性があることさえわかってきた。いまや、脳を健全に保つことは健康な生活に不可欠だ。

 では、健全な脳はどう育てていけばいいのか。まずは、世界中で研究が進む「科学的な勉強法」を通じて脳の効率的な動かし方について考えてみよう。

「勉強は決まった時間、決まった場所で、静かな環境の下、行うと良い」

 多くの人は家庭や学校でこう教え込まれたはずだ。テレビを見てケタケタ笑う弟、母親が包丁で野菜を切ったり、洗い物の音が流れる。そんな台所兼居間で勉強するなんてもってのほか。集中力を欠き、記憶力を低下させ、学習効率が低下すると考えがちだ。

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