身近な薬の落とし穴

命に関わることも 「解熱鎮痛薬で突然吐血」の危険な兆候

 潰瘍は痛みが出ると思われていますが、解熱鎮痛薬を服用していると、痛み止めの作用によってその痛みは隠されてしまいます。そのため、痛みがないのに、突然、吐血や下血することがあるのです。

 また、解熱鎮痛薬を使用すると、潰瘍発症のリスクが19・4倍になるというデータもあります。胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐き気、胃痛、便が黒くなるなどの症状が表れた場合、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

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中尾隆明

中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。