当事者たちが明かす「医療のウラ側」

大腸がんには「左右差」がある

都内の40代勤務医

 同じ大腸がんでも「発症率」や「生存期間」ばかりでなく、「薬の効き方」にも差があるのをご存じですか?

 世界中のがん研究者や臨床医が集まる「ASCO」(米国臨床腫瘍学会)でも、今年取り上げられたテーマです。ご興味のある方もおられるでしょう。

 大腸がんは大腸の大部分を占める結腸にできる結腸がんと、直腸にできる直腸がんに分けられます。

 発生場所としては直腸にできることが多く、続いて「S状結腸」「上行結腸」「横行結腸」となります。男女ともに60歳代に多いとされています。

 さて、大腸の右側には「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」があり、左側には「下行結腸」「S状結腸」「直腸」があります。

 がんが右側に出たときは自覚症状が出にくく、しこりや慢性的な出血による貧血症状から診断されることが多い。一方、左側だと下血、血便、便秘、下痢、便が細くなるなどの症状から診断されることが多いのです。

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