年を取ったらクスリを見直せ

薬によるリスク増 高齢者は若者に比べて副作用が出やすい

 明確な基準はありませんが、「必要以上に薬を飲んでいて、薬による有害事象が起こっている状態」を「ポリファーマシー」といいます(単純に「4~6種類以上の薬を飲んでいる状態」を指すケースもあります)。

 ポリファーマシーを避けることができれば理想的ですが、医師は、患者さんの症状を良くするために薬を処方します。そうした気持ちから、薬を減らすことが難しくなっている場合もあるのです。となると、薬を飲んでいる側も、薬が体に与える「有益性」と、副作用などの「危険性」をしっかりと知っておかなければなりません。

 人によっては、中止して様子を見てもよい薬、つまり「優先順位の低い薬」が処方されているケースもあります。しかし、自己判断で服薬を中止することは危険ですので、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。

 次回から、高齢者が注意すべき薬を紹介していきます。

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中尾隆明

中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。