気軽に始めて依存症に 医師が出す“軽い安定剤”の落とし穴

医師の言葉に従って気軽に飲み始めてはいけない(C)日刊ゲンダイ

「少なくとも『眠れない』というだけでは、睡眠薬は処方しません。眠れない患者の多くは、不眠恐怖症か睡眠相後退症候群。睡眠に関する正しい知識を身につける睡眠衛生指導などが先行します」

 不眠恐怖症は、「8時間眠らないとダメ」など、間違った知識によって不眠症だと思い込む。高齢者によく見られる。睡眠相後退症候群は、体内時計のリズムの乱れで生じる疾患で、夜更かしが習慣化した若者に見られる。

 また、うつ病など精神疾患の症状として不眠に至っているケースもある。この場合は、原因となる疾患の治療が必要だ。

「精神疾患の治療の一環で睡眠薬を処方する場合でも、あくまで補助薬としてであり、依存症のリスクを考えれば、使うとしても最大でも2~4週間程度というのが望ましいです」

■多剤併用を防ぐルールにも落とし穴

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