あの話題の治療法 どうなった?

「高気圧酸素療法」はなぜいまだに評価されないのか

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 実際、2時間近い救急患者の治療では、診療報酬は1回7万円(発症後7日以内)。非救急患者(救急疾患でも7日間を超えた患者)は同2000円だ。そのうち2~3割が患者の自己負担金となる。

 これでは財力が乏しい地方の病院などは、たとえ関心を示しても手が出ない。現在保有している施設でも、どんどん治療中止に追い込まれている。

 同療法は近年、悪性腫瘍に対する放射線治療後の遅発性放射線障害や感染症治療にも効果を発揮し、実施されている。

「もっと広まってほしいと思います。近年、世界アンチ・ドーピング機構がドーピングには含めないと宣言したこともあり、同療法を受ける私の患者さんの中には、一流アスリートもおり、徐々にスポーツ界にも拡大、増加しています。また喉を使い過ぎる声楽家や歌手の方々の声帯浮腫などの治療にも良いとおいでになっています」(宮本教授)

 こうした保険対象外の疾患の治療は自由診療となり、1回2万1000円の診療代金になるという。

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