有名病院 この診療科のイチ押し治療

【早老症】千葉大学医学部付属病院/糖尿病・代謝・内分泌内科(千葉県千葉市)

千葉大学医学部付属病院・横手幸太郎教授(提供写真)

 糖尿病や脂質異常症になる患者も多い。しかし、これらの症状は特有の症状ではないため、患者はリウマチ科、糖尿病内科、老年科、皮膚科など、それぞれの診療科を別個に受診している可能性が高い。ウェルナー症候群と診断された患者を複数診ているのは全国でも同科を含め、3施設ほどしかないという。

「医師は教科書でこういう病気があることは知っていても、患者さんは白髪があれば染めるし、脱毛もカツラを着けてしまえば分かりません。それに有病率が5万~6万人に1人なので知名度が低く、診断できる医師が少ないのです」

 そのため横手教授らは、世界に先駆けて「診断・診療ガイドライン」(2012年版)を作成。現在、唯一の手引書として活用されている。確定診断は、最終的には遺伝子検査が行われるが、国内の大学病院で実施しているのは同院のみ。全国から検体(血液など)が送られてきており、ここ4~5年で50症例が確定されているという。

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