いくつかの実験的な研究では、柑橘類の摂取で認知症が予防できる可能性が示されています。とはいえ、人を対象にした研究では、柑橘類の摂取と認知症の関連について明確なことは分かっていませんでした。
そんな中、柑橘類の摂取と認知症の発症リスクを検討した観察研究の結果が、英国の栄養学専門雑誌に2017年5月19日付で掲載されました。この研究は1万3373人の日本人を対象に、食品の摂取状況についてアンケート調査を行い、柑橘類の摂取状況と認知症発症の関連を検討しています。なお、結果に影響を与えうる年齢や性別、飲酒、喫煙状況などで統計的に補正して解析しています。
5・7年間の追跡調査の結果、認知症発症リスクは、柑橘類の摂取頻度が「週に2回以下」の人に比べて、「週に3~4回」の人では8%、「ほぼ毎日摂取している」人では14%、低い傾向にありました。とはいえ、統計学的に有意な差とは言えず、結果はやや曖昧という印象です。
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