受診までの「応急処置」

【吐き気】我慢せずに吐きたいだけ吐いてしまう

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつ注意すべきなのは、嘔吐物の処理。ノロウイルスだった場合、嘔吐物(下痢便にも)に大量のウイルスが含まれる。部屋の中に吐いてしまったら、きちんと掃除しないと、容易に家族や周囲の人に感染を広げてしまう。処理する人はマスク、手袋、エプロンを着け、塩素系消毒剤や家庭用漂白剤で吐いた場所を十分に消毒する。嘔吐物が付着した衣類なども消毒が必要だ。

「胃の内容物を吐き切ったら、楽な姿勢で安静にしてください。吐き気があるうちは食事をしない方がいい。その分、脱水状態にならないよう十分に水分摂取をしてください。水分の取り方は、ゴクリゴクリと飲むと吐いてしまうので、口に軽く含む飲み方をこまめに繰り返してください」

 ただし、吐き気・嘔吐に血性下痢(ほとんど血液の下血)を伴う場合には、重症化の恐れがあるので様子を見ずに、早く受診した方がいいという。また、血性下痢がなくても、翌日になって少しも症状が改善しないようなら受診しよう。

「高血圧や糖尿病などで持病の薬が合っていなかったり、病状がコントロールできていないと吐き気を催す場合があります。持病があって吐き気のあるような人は、きちんとかかりつけ医に伝えることが重要です」

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