いまさら聞けない歯科インプラント

糖尿病・高血圧でも普通の生活が送れていれば治療は可能

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高血圧の人も降圧剤などで制御できている人であれば、通常は問題ない。閉経後の女性に多い骨粗しょう症も骨とインプラントの結合時間がかかる場合もあるが、通常は治療可能だ。

■喫煙者は成功率が低下

 金属アレルギーの人はどうか?

「インプラント治療に使われている金属はほとんどがチタン製です。チタンは骨と結合し、長期にわたり安定することが証明されていて、歯科医療以外にもひじや膝の人工関節としても使われています。現時点では最も安全なインプラントの材質で、金属アレルギーの心配はないと考えられています」

 喫煙者でも治療はできるものの、インプラント治療の成功率や耐久年数が低下することは押さえておきたい。

「喫煙している人は、そうでない人に比べて3倍程度インプラント治療の失敗率が上がるといわれています。また、たばこに含まれるさまざまな化学物質が治療期間の痛みや腫れの長さにつながります。とくに上顎のインプラントは喫煙の影響をより強く受けやすい。喫煙者は歯周病になる可能性が高いので、耐用年数も低くなってしまいます。インプラントも普通の歯と同じように、歯槽骨が細菌感染してしまえば、歯が抜け落ちてしまうのです」

 本数を減らせば、これらのリスクは低くなる。インプラントが骨に接合する期間だけでも禁煙できれば、インプラント成功の確率はグッと高くなる。

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