医者も知らない医学の新常識

習慣的な「シューティングゲーム」は脳を委縮させる

条件反射的な反応が、脳をダメにする(C)日刊ゲンダイ

 スマホやゲーム機、パソコンなどを利用したビデオゲームは、もう私たちの生活に欠かせないものとなっています。それでは、ゲームをすることで脳にはどのような影響があるのでしょうか? 

 以前、「ゲーム脳」という言葉が流行したことがあり、「ゲームをやり過ぎると、脳が萎縮したり認知症のような症状が出ることがある」という指摘がされました。ただ、一口にビデオゲームといっても多くの種類があり、残酷なものもあれば、ほのぼのとしたものもあります。したがって、すべてのビデオゲームをひとまとめにすることは、あまり科学的な考え方とは言えません。

 今年の精神医学の専門誌に、「ゲームの内容やその時の脳の使い方によって、ビデオゲームの影響には違いがある」という興味深い結果が報告されました。それによると、怪物を倒すようなシューティングゲームを習慣的にプレーしていると、記憶に関わる脳の海馬という部分が萎縮しますが、知らない世界で宝物を探すようなゲームでは、それが習慣的でなければむしろ海馬の神経細胞は増加していました。

 シューティングゲームを繰り返しプレーしていると、条件反射的になって脳は海馬を利用しなくなることが多く、それがどうも萎縮の原因になるようです。ゲームが悪いのではなく、同じ脳の部分だけを使い続けるような生活が脳のバランスを乱し、その働きの低下につながるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。