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減量手術の総本山 糖尿病歴10年未満なら約9割が“寛解”

四谷メディカルキューブ/減量・糖尿病外科センターの笠間和典センター長 (提供写真)

「糖尿病が寛解に至らないケースは、インスリンの分泌が枯渇しているような重度の方です。だから、手術は早ければ早いほど改善効果が見込めます。特にLSGBは糖尿病に対する効果が高く糖尿病歴が10年未満なら約9割の患者さんは寛解へもっていけます」

 糖尿病の改善効果は体重減少だけでなく、腸管ホルモンや胆汁酸の分泌が変わること、腸内細菌叢が改善することが関係すると同院のデータで証明されている。ただ、これだけでなく他に分かっていないメカニズムもあるという。

「海外の複数のデータでは、大腸がん、膵臓がん、乳がん、子宮体がん、前立腺がんなど肥満に関連するがんの罹患が3割以上減ると報告されています。また、米国の研究では、すべての合併疾患による死亡率が9分の1に減少するというデータもあります」

 高度肥満の腹腔鏡手術は難易度が高いが、減量手術の手術関連死の割合は胃がん手術より少なく平均0.2%。笠間センター長は、同センターでこれまで国内最多の1000例以上の減量手術を行っているが手術関連死はゼロという。

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