人は遺伝子の奴隷なのか

がん、糖尿病、虚血性心疾患、骨粗しょう症も遺伝病だ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「遺伝病について多くの人には『遺伝病とは親から子へ遺伝する病気』という誤解があります。遺伝病はあくまでも遺伝子や染色体の異常によって起こる病気であり、親から子へ伝わる、伝わらないというものではありません。つまり、親の遺伝子に異常があって子供に伝わる場合もあるが、親が正常でも突然変異によって起こる遺伝病もあるのです」

 遺伝病は一般に5分類される。「単一遺伝子疾患」「染色体異常」「多因子遺伝病」「ミトコンドリア遺伝病」「体細胞遺伝病」だ。

 単一遺伝子疾患とは人を構成する2万7000個の遺伝子の1つの遺伝子異常により発症すると考えられる病気だ。ハンチントン病やフェニルケトン尿病、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどがある。

 染色体異常とは、染色体部分の過剰や欠失により、遺伝子群の量的不均衡を起こし、遺伝子の発現異常による諸症状を来す状態を言う。通常、ヒトの染色体は22対の常染色体と2個の性染色体から成るが、ある染色体のすべて、あるいは一部分が多くなったり(トリソミー、テトラソミー)、少なくなったり(モノソミー)することにより発症する。ダウン症候群などを思い浮かべる人もいるだろう。

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