歯の疑問 ずばり解決!

「フッ素」には歯を強くする効果がどこまであるのか

正しい歯磨きと併用

 患者さんの話ですが、その人のご両親は長年、歯磨き粉にフッ素配合と書いてあるものを選んで子供時代の患者さんに買い与え、さらに毎月フッ素を塗りに歯医者さんへ通わせていました。でも、残念なことに、その方は子供の頃から虫歯だらけなのです。大人になった今は、「毎食後に歯を磨くことを習慣にしているにもかかわらず虫歯になってしまう」という悩みを持っています。

 それはなぜかというと、残念ながら圧倒的に歯磨きが下手なのです。ご両親のフッ素への信頼感から、「塗っていさえすれば大丈夫」という生活環境で子供の頃から暮らしてきたこともよくありませんでした。大人になる前にほとんどが虫歯になっていたため口の中は虫歯菌だらけで、少しでも弱っている歯があれば磨き残しを温床に繁殖して虫歯になってしまうのでした。

 極端に悪いパターンを紹介しましたが、幼い頃から毎月フッ素を塗りに歯科医院を訪れることで、定期検診が生活の中で習慣化してくれること自体は大変良いことだと思います。

 (構成=小澤美佳)

2 / 2 ページ

北沢伊

北沢伊

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

関連記事