ブロッコリー成分がうつ病・自閉症・統合失調症を予防する

(C)日刊ゲンダイ

 一方、通常のエサのネズミはストレス後、うつ様行動を示し、ショ糖を飲む率が下がった。

 橋本教授は脳の変化も調べた。同じくグルコラファニンを0・1%含んだエサを21日間与え、その後、脳の炎症を引き起こし、うつ様行動を引き起こす物質LPS(リポポリサッカライド)を含む生理食塩水を与えた。そして、脳を摘出して、うつ病に関連する脳の前頭前野を調べた。

 もし、うつ様行動を起こしていたら、前頭前野の「樹状突起スパイン」の密度が低下する。しかし、グルコラファニンのエサを食べたネズミは低下していなかった。通常のエサのネズミは樹状突起スパイン密度が低下し、うつ様行動を示した。

 橋本教授は、自閉症、統合失調症、パーキンソン病などについても研究を行った。

「近年、自閉症、統合失調症、パーキンソン病などは遺伝的な要因だけでなく、環境要因が関係しているのではないかと考えられています。お母さんの体内に胎児としている時に、お母さんが何らかのストレスから炎症を起こし、それに胎児が母体の中で曝露され、自閉症や統合失調症などの発達障害の発症につながることが多くの疫学研究から分かっているのです」

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