緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

高熱を下げる解熱鎮痛薬の選び方 イブプロフェンはNGか

両者の大きな違いは炎症を抑える作用があるかないか

 解熱鎮痛薬の「イブプロフェン」は新型コロナウイルス感染症を悪化させるのか。世界中で情報が錯綜している。

 きっかけは、先月14日にフランスのベラン保健相による「新型コロナウイルスに感染している際に服用すると症状が悪化する可能性がある」というツイッターでの発信だった。

 これを受け、世界保健機関(WHO)は「新型コロナウイルスに感染している疑いがある場合はイブプロフェンを自らの判断で服用しないでほしい」と述べ、代わりの解熱鎮痛薬として「アセトアミノフェン」を使うよう呼びかけた。しかしその後、治療に当たっている医師を調査した結果、通常の副作用以外に症状を悪化させるという報告はなかったと説明し、「控えることを求める勧告はしない」と表明している。

 イブプロフェンが新型コロナウイルスを悪化させるかどうかははっきりしていない。しかし、同じウイルス感染症であるインフルエンザでは、15歳未満の子供に使用するとインフルエンザ脳症を引き起こすリスクがあるとされている。

1 / 8 ページ

関連記事