病の克服は患者に聞け

新型コロナ<7>外出するなら完璧な「消毒マン」になるべし

キレイゴトばかり(C)共同通信社

 3月中旬、新型コロナウイルスに感染し、都内の病院に緊急入院した渡辺一誠さん(40=東京・港区。コンサルタント会社社長)が、回復の兆しを見せてようやく平熱に戻ったのが入院から10日目あたり。コロナの発症から2週間が経過していた。ほぼ隔離状態に近い個人部屋で、朝夕、体温を測る渡辺さんに、スマホ、パソコン、テレビ、新聞、友人からの電話などで、コロナ情報が濁流のように押し寄せてきた。もう、うんざりである。

 血液型O型は重症化しない、BCGを打っていると感染しない、コロナは熱に弱い、ニンニクが予防にいい……。こうした“アホ”な情報も垂れ流されてきた。

 日々、39・8度の高熱で、死も頭をかすめている最中に、実に腹だたしいデマ情報である。

 政府関係者の記者会見も、官僚が書いた文章を棒読みしているようで、緊迫する感情が少しも感じられない。何かキレイな言葉を重ねているだけで、言葉もむなしく、耳を素通りした。

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