渡哲也さんの持病だった肺気腫は放置するとじわじわ窒息する苦しさ

渡哲也さん(2014年撮影)/(C)日刊ゲンダイ

 8月10日に肺炎で78歳で死去した俳優の渡哲也さん。1991年に直腸がんによる人工肛門を装着していたことを明らかにしたが、この30年間は様々な病気と闘病してきた。その一つが慢性閉塞性肺疾患に含まれる肺気腫だ。2016年8月には、吉永小百合さんと宝酒造の新CMを撮影した際、持病の肺気腫や喘息などの呼吸器系の疾患で酸素吸入気をつけて生活していたことを明らかしている。

 慢性閉塞性肺疾患は、息をするときに空気の通り道となる気管支や肺に障害が起きて呼吸がしにくくなる病気だ。呼吸器疾患があったり、喫煙者はウイルスなどの感染にしやすいといわれる。肺気腫の大きなリスク要因になることは間違いない。

「慢性閉塞性肺疾患は2030年までには、世界の死因の3位になるといわれています。慢性閉塞性疾患の重症の方には、水の中でじわじわ窒息していくようだとと話される方もいます」(都内大学病院勤務の医師)

 そもそもがつらい病気であることに加え、新型コロナウイルスの蔓延によってその脅威が高まっている。呼吸器系に不安を抱えている人は、そのリスクをしっかり認識することが重要だろう。

(取材・文/和田真知子=日刊ゲンダイ)

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