新型コロナの新たな後遺症に「ED」が浮上 世界で報告相次ぐ

新たな後遺症が…(集中治療室で新型コロナウイルス患者の治療を行う医療従事者=フランス)(C)ロイター

「新型コロナウイルス感染症がEDを引き起こす可能性は十分あります。というのも、新型コロナ感染症の本態が血管内皮障害であることが分かっているからです。血管内皮には新型コロナウイルスの細胞への侵入口であるACE2受容体が多く発現しており、感染しやすい状態にあります。しかも血管内皮細胞は、血管を拡張させる一酸化窒素やこれを縮めるエンドセリンなど数多くの血管に働きかける物質を分泌していて、血管壁の伸び縮みから、血管壁への炎症細胞の接着、血管の透過性の調節などを行っています。そこにウイルスが感染すれば、ウイルスの侵入増殖や活性酸素分泌などで内皮細胞を傷つけ、炎症と免疫反応が生じる。それが毛細血管や大血管を通じて全身の臓器に広がることで、末梢循環不全や血栓症が生じるのです。よく、糖尿病の人はEDになりやすいと言われますが、それは高血糖により血管内皮障害が起きて陰茎動脈の拡張不全が生じるからです。それと同様に、新型コロナ感染症では、内皮障害などによる陰茎動脈の拡張不全や血栓症により、EDが生じる可能性があると考えられます」

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