多くの男性は、マスターベーションと性交渉を意識せずに区別して射精まで至るのですが、膣内射精障害の患者さんの場合は、腰の使い方が“下手くそ”なのです。そのため、カウンセリングでは腰の使い方を徹底的に指導します。マスターベーションと性交渉の体位の違いについても説明し、初めはマスターベーションに近い体位で挿入をしてもらい、気持ちのいいポイントを探ることを指導しています。
さきほどのAさんは、何度も診察を重ねてカウンセリングと行動療法を継続しました。当初より「足を伸ばさないと射精まで至らない」とのことでした。そこで、奥さんに寝そべってもらい、その上にAさんが被さる格好で、足を伸ばした後背位で挿入をして、自慰に近い体位で挿入するのが気持ちがいいと分かりました。
また、腰の使い方の練習では腰を意識して気持ちのいいポイントを探るように指導を重ねていきました。さらにマスターベーション用の補助器具として「マスターベーションエイド」の使用も勧めました。
男性不妊症のすべて