役に立つオモシロ医学論文

コロナワクチンはいつまで効果が持続する? 医学誌に論文

集団ワクチン接種センターでファイザー製ワクチンを接種される若者(ロンドン=トッテナム・ホットスパースタジアム)/(C)ロイター

 最終的に評価が可能であった4万2094人のうち、新型コロナウイルスに感染していたのはワクチン接種群で77人、プラセボ接種群で850人であり、発症率の比をもとに算出したワクチンの有効率は91.3%でした。また、重症の新型コロナウイルス感染症に対する有効率についても96.7%と、接種から半年経過しても有効率は依然として高いままでした。

 体内のウイルス抗体量が低下したとしても、効果が大きく減弱するわけではありません。むろん、新規に開発されたワクチンであるがゆえに、有効性の持続期間に関する質の高いデータが乏しいことも、また事実です。

 今後の研究報告に注目しつつ、3回目の接種なども考慮していく必要があるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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