新型コロナワクチンの疑問に答える

メルク社の飲み薬「モルヌピラビル」とはどんな薬なのか?

コロナ軽症者用飲み薬の米メルク製「モルヌピラビル」/(C)ロイター

 新型コロナウイルスの軽症者向けの抗ウイルス薬「モルヌピラビル」が年内に国内で調達できそうだという。米製薬大手メルク社の経口薬で、年内にも特例承認する方向だ。発熱やせきなどの初期症状がある場合、1日2回、5日間服用することで重症化を防ぐ効果があるとされている。

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【Q】メルク社の「モルヌピラビル」とは、どんな薬なのか?

【A】「もともとインフルエンザを治療する経口薬として開発されたもので、成分は『合成ヌクレオチド誘導体N4-ヒドロキシシチジン』。ウイルスが体内で増殖するために必要な酵素の働きを阻害する抗ウイルス剤です。ただ、インフルエンザではタミフル、リレンザ、イナビルといったさらに良い薬が開発されたため、現在は使われていません。メルクは、症状が出て5日以内の軽度から中等度の患者775人のうち、偽薬を投与された後に入院した患者は14.1%で、うち死亡8人に対して、モルヌピラビルを投与し入院した患者は7.3%で死亡0人と発表しています。この結果から、入院リスクは半減、死亡は激減すると評価され、米FDA(食品医薬品局)に申請されました」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)ほか。

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