役に立つオモシロ医学論文

夫婦関係が急速に悪化する「産後クライシス」育児への認識にずれ

写真はイメージ

 調査の結果、父親の育児時間(中央値)は平日2時間、休日6時間でした。育児に対する父親の関わりについて、妻による夫の評価と夫の自己評価、双方が関わっていると認識していたのは83.9%。逆に夫婦双方が関わっていないと認識していたのは2.6%でした。また、夫自身は関わっていると認識していた一方で、妻による夫の評価では関わっていないと認識していたのは8.4%、その逆に妻は関わっていると認識し、夫自身は関わっていないと認識していたのは5.1%でした。

 この研究ではまた、育児に対する父親の関わりについて、夫婦双方が関わっていると認識していた場合と比べて、夫自身は関わっていると認識し、妻による夫の評価では関わっていないと認識していた場合では、母親の精神状態の悪化と関連していたことが分かりました。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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