時間栄養学と旬の食材

クコの実にはさまざまな健康効果あり 脂肪肝の予防にも効く

クコの実は脂肪肝予防にも効く

 今回はクコの実にスポットを当てて、どのような栄養素が含まれているのか見てみましょう。

 老化、肌トラブルの改善に役立つルチンやタンニンなどのポリフェノール、ビタミンCが豊富に含まれており、抗酸化作用が大変高いです。紫外線や日差しが強いこの時季、夜間における肌のターンオーバーを促進するためにも夜向きの食材といえるでしょう。

 また、着目したいのがベタインという成分。脂肪肝の予防効果について先述しましたが、このベタインに脂質代謝を改善する効能があるとされているのです。コレステロール値や中性脂肪を減少させ、心疾患や動脈硬化の予防に役立つ栄養素です。脂質代謝は夜に落ちやすいと報告されていますし、ぜひ、夕食に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 マウスの実験にはなりますが、クコの実を摂取したあと、脳の海馬における記憶力に関連する酵素の機能がアップして認知機能維持効果があることや、肝障害の指標となるASTやALT、アルカリホスファターゼの上昇が抑制され、肝機能を高める効果も報告されています。スープなどに入れてもおいしいクコの実ですが、熱に弱いビタミンが多く含まれるため、加熱しすぎないように最後に入れるのがいいでしょう。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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