がん治療最前線

対がん新兵器「ハイパーサーミア療法」が高齢患者にやさしい理由

村田会湘南大庭病院の小林一郎医師(提供写真)

「私たちの仕事は地域の方々の健康を守ることです。高齢化が加速するなか、増え続けるであろう地域のがん患者の方々とどう向き合うかは大きな課題です。がんの最大のリスクは年齢です。高齢になればなるほど治療は困難となります。当院は急性期病院でないので手術や抗がん剤治療、放射線治療はしません。しかし、ガイドラインに沿った治療を行う大学病院やがん治療拠点病院などと連携。その後のケアとして高齢ながん患者にも優しい先進的なこの治療法に注目しているのです」

 同院ではすでに分子標的治療薬でも抑えられなかった肺がんの女性の腫瘍マーカーが下がり始めるなどの事例が出始めているという。

■がん細胞だけを選択的に攻撃

 ハイパーサーミア療法とは、がんの塊が42.5度以上の熱に弱いという性質を利用してがんを治療する方法のこと。体の外側からがん細胞が潜む部位にAMラジオで使われる高周波電流を流してがんの塊を加温することで、死滅させる。

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