新型コロナに感染したら3~6カ月は「血栓症」に注意すべし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナ感染によって体のあちこちで血栓が作られると、それだけ血栓症のリスクはアップする。血栓が足の静脈にできると「深部静脈血栓症」となり、その血栓が血流に乗って心臓まで移動し肺の動脈に詰まれば「肺血栓塞栓症」を引き起こす。肺血栓塞栓症になると血流が減って十分な呼吸ができなくなる。重症化すれば意識を失ったり、ショック状態になって死亡するリスクが高くなる。

 世界的な医学誌BMJに掲載された約100万人の新型コロナ感染者を対象としたスウェーデンの研究では、新型コロナ感染によって深部静脈血栓症や肺塞栓症を起こすリスクが状況により5~46倍に増加していたと報告されている。

 やはり、新型コロナに感染した場合、血栓症のリスクがあることを頭に入れて、注意したほうがいい。

「同じスウェーデンの研究では、新型コロナに感染してから、深部静脈血栓症で最長3カ月間、肺塞栓症で最長6カ月間は発症リスクが高まると報告しています。また、新型コロナ感染症が軽症だった人でも、肺塞栓症を起こすリスクは通常の7倍でした。この研究はデルタ株以前の感染者が対象で、いま主流のオミクロン株では血栓症を起こす頻度は少なくなっているといいますが、中国の研究では3%くらいに静脈血栓症が認められます。感染した場合、新型コロナ感染症自体は軽症で、7~10日間の自宅療養期間を問題なく終えたとしても、その後、数カ月間は血栓ができやすくなっていると考えて、注意したほうがいいでしょう」

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