今後、ストレスで胃の負担が大きくなる可能性大! 胃の負担を和らげるには……

 最近、記者の周りでは「胃が痛い」「胃がもたれて仕方がない」など胃の不調を訴える仲間が多くなってきた。かくいう記者も何となく胃の調子がよくないと感じることがちょくちょくある。おそらく胃に相当負担がかかっているのだろう。そこで胃の負担を和らげるにはどうしたらいいのか専門家に聞いた。

■胃はストレスに弱い「第2の脳」

 胃は人間本来の行為である「食」と深く結びつき、人間が人間らしく生きていくために必要な臓器だ。胃が不調になると食欲がないから始まって胃痛、胃もたれ、胸やけ、食事が入っていかない感じがする、胃が張る(膨満感)などさまざまな症状が顔を出してくる。となると、毎日の生活に響いてくるのも当然だろう。

 医療の現場で毎日多くの患者と接しているファミリークリニックひきふねの梅舟仰胤院長はいう。

「最近は特に胃の不調を訴えてくる人が多くなっていますね。胃の不調は胃にがんや胃潰瘍、ポリープなど物理的な病気があってそのせいで調子が悪くなる場合と、病気は一切なく胃カメラを撮っても何の異常もないのに調子が悪い場合の2つに分かれます。私の印象としては2対8で圧倒的に後者が多いように思います。その原因はストレスです。ストレスと胃は密接な関係があり『胃は第2の脳』といわれるほど人間の精神状態を鋭敏に反映しているんですよ」

ファミリークリニックひきふね 梅舟仰胤院長

■飲酒は胃のパフォーマンスを低下させる

 胃に負担をかけ、その働きを阻害する要因はもちろんストレスだけではない。それ以外にも多々ある。梅舟院長はその原因となるものとして「自律神経の乱れ」「冷え」「疲れ」「運動不足」「食生活の乱れ(暴飲暴食)」「不規則な生活習慣」、女性の場合は月経前後や排卵前後の「ホルモンバランスの乱れ」などさまざまな要因を挙げた。さらに、

「読者の皆さんの中にはアフターファイブの一杯を楽しみにしている方も多いでしょうが、過度のアルコールもアウトですね。アルコールを飲むことで胃の働きを弱め、胃のパフォーマンスを低下させてしまいますから。お酒を飲むとどうしても脂っこいものにお刺し身など生ものを食べがちですが、実はそうした食べ物も消化に時間がかかるので胃にはあまりよくありません」

 サラリーマンといえばストレスがつきものだ。それを解消しようとアルコールを飲んでも胃にとってはダブルパンチになるということか。何とも切ない話だ。

■胃の負担を和らげるためには?

 では、胃の負担を和らげるために日頃から気をつけておかなくてはいけないことは何か。

「胃の働きを弱らせないようにすることです。それには今申し上げたことの逆をやればいい。すなわち『規則正しい生活を送る』『ストレスや疲れを溜めない』『冷やさない』『適度な運動をする』『規則正しい食生活を心がける』などですが、特に大事なのが『食べ方』です」

 梅舟院長によると夜寝る時は胃が空っぽの状態が理想なのだという。胃の中に食べ物がある状態で横になってしまうと十二指腸に下りていきづらくなってしまうので、朝まで食べ物が胃にたまっている状態になる。こうなると胃は消化しようと頑張るため、大きな負担がかかってしまうのだ。

「朝と昼はしっかり食べて、夜は軽く済ませるのがいいですね。それも夕食はできれば寝る前の4時間前、最低でも2時間前までに食べるようにするのがいいでしょう。胃の調子が悪い時は夕食を抜くのもいいかもしれませんね」

 この他、食べ過ぎないことも大事。腹八分を心がけ、ゆっくりよく噛んで食べることも大切だ。

■胃の負担をやわらげる食べ物、ヨーグルトと果物

 最後に胃の負担を和らげてくれる、胃にやさしい食べ物について聞いた。

「私がおススメするのはヨーグルトや果物ですね。特に最近はLG21乳酸菌入りヨーグルトが胃の負担をやわらげてくれることがわかっているので、そうしたものを朝でも寝る前でも毎日続けて摂るようにするといいでしょうね。果物は旬のものなら何でもいいですが、柑橘系など酸味の強いものは胃酸の分泌を促進してしまい、胃には良くないので食べ過ぎないことが大事です」

 梅舟院長は胃の不調に悩む人が増えている今こそ、胃にやさしい生活を心がける「胃活」が必要だという。私たちも毎日頑張って働いてくれている胃のことをできる限りいたわってあげたいものだ。

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