医者も知らない医学の新常識

アイスクリームが大腸がんの予後に影響? 死亡リスクが1.86倍

写真はイメージ

「大腸がん」は最近日本でも増えているがんのひとつです。その原因のひとつは食事だと考えられています。

 中でも今、指摘されることが多いのが、加工食品の影響です。国際的に食品はそれが材料となる食材から、どのくらい加工されているかによって、4種類に分類されています。特にコンビニで売っているインスタント食品や菓子類のように、成分表示を見なければ何から作られているのかすぐには分からないような食品のことを、最も加工された「超加工食品」と呼んでいます。

 これまでの研究により、超加工食品を多く食べている人は一部の大腸がんが増える、という結果が報告されています。それでは、大腸がんになった時の予後にも、加工食品は影響しているのでしょうか?

 今年のランセット系の医学誌に発表された論文では、アメリカの医療従事者を対象とした、大規模な疫学研究のデータを活用して、大腸がんになった患者さんの経過と、超加工食品との関係を検証しています。その結果、超加工食品をたくさん食べている人は大腸がんになった時にその予後が悪く、特にアイスクリームやシャーベットを多く食べている人では、そうでない人と比較して、大腸がんによって死亡するリスクが1.86倍も高くなっていました。

 アイスクリームの食べ過ぎには、意外なリスクも隠れているようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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