病気で安静にしていると「寝たきり」につながる危険がある

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 実際、一部の医療機関では入院患者の活動量を落とさないような取り組みを実施している。自分で立てる人であれば3~4秒かけてゆっくり立ち上がり、3~4秒かけてゆっくり座る椅子からの「ハーフスクワット」(起立訓練)を行っている。座位保持がやっとな人でも、座ったまま「もも上げ」をすると筋トレになるという。

■低栄養は廃用症候群のリスク大

 自宅療養や入院での廃用症候群による寝たきりを防ぐためには、日頃から体を動かすように努めて筋肉の“貯金”(貯筋)をしておくのが効果的だ。

「歩ける人は毎日30分ほど散歩するといいでしょう。可能であれば早歩きを意識し、30分が難しければ15分など自分ができる範囲で体を動かすことを心がけてみてください。家の中だけで生活していると体の動きが少なく筋力は低下しやすくなります。ですから、1日1回は外に出て歩くことが大事です。運動は1人よりも2人以上で行うと続きやすいので、時間が合えば誰かと一緒に散歩してください。体調が悪くて外出が難しいときは、たとえば高熱で寝込んでいても、自力で歩いてトイレに行ったり入浴したりするなど、ひとりでできることは自分でこなすことが大切です。家族はひとりでできることまで過剰に手伝わないことが大事です」

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