糖尿病で腎臓が悪くなったら眼科医の受診を検討すべし…欧米の生物医学専門紙に掲載

いずれも相関関係がある

 こう言うのは「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒区)の清澤源弘院長だ。

 糖尿病網膜症は血糖値が上昇することで網膜の血管が詰まったり、破れたりして目の中の細胞が酸素や栄養不足に陥り、それを補うための粗悪な新生血管が伸びてきて出血を繰り返す。その結果、視野が狭くなったり、目がかすんだり、視力が低下する病気のことをいう。ちなみに網膜は映画館にたとえるとスクリーンの役割を果たす重要な組織だ。

 問題は、この糖尿病網膜症は糖尿病黄斑症と大いに連動していることだ。

「糖尿病黄斑症は糖尿病網膜症の病態のひとつです。黄斑とは網膜の中心にある、物を見るための最も敏感な部分です。この部分の毛細血管が詰まったりすると、血液の成分や脂質分などが網膜内に染み出して黄斑浮腫を起こします。症状としては物がゆがんだり、視力が低下したりします。進行すれば失明することもあります。糖尿病網膜症は、症状が自覚しにくく、発見されづらい。しかし、黄斑症を発症すれば、ある日突然、視野がゆがんだり、中央が真っ黒になるなどするため、すぐにわかります。人によっては糖尿病網膜症の初期段階で起きる人もいます」

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