糖尿病患者の「目の中」はどうなってしまうのか…血管のこぶ、網膜の出血やむくみ

写真はイメージ(C)PIXTA

 それでも患者には疲れやすさなど糖尿病への認識は乏しかったという。

「糖尿病の初期段階は視力低下などの自覚症状がないので異変に気づきません。ただし、糖尿病で目の不調を訴える人は診断から10年くらいの人が多く、20年で約60%が糖尿病網膜症を患い、そのうち15%は視力障害を起こすまで進行するといわれています」

■喫煙者は高リスク

 糖尿病によって生じる目の病気は他にもある。白内障や緑内障だ。

「カメラのレンズにあたる水晶体が濁る白内障は、その原因の多くが加齢によるものです。しかし、糖尿病の人は水晶体が高血糖にさらされるため、浸透圧が変化して水晶体の中に水分が蓄積しやすく、濁りやすいのです」

 糖尿病白内障は、水晶体の周辺部から濁り始める皮質白内障と水晶体を包む後ろの袋が濁る後嚢下白内障、その混合型がある。

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