役に立つオモシロ医学論文

コロナのパンデミックが子供の発達を遅らせる?日本の研究報告

発達に影響を受けた子供たちを特定し支援を

 その結果、1歳時に初回調査を受けた乳幼児は、3歳時の再調査においてコロナ禍の経験と発達の度合いに統計学的に有意な関連性を認めませんでした。一方、3歳時に初回調査を受けた乳幼児は5歳児の再調査において、発達の度合いがコロナ禍を経験した乳幼児で4.39カ月、統計学的にも有意に遅延していました。

 あくまでも関連性の評価にとどまる解析結果ですが、論文著者らは「コロナ禍において心身の発達に影響を受けた子供たちを特定し、学業や健康状態などに対する支援が重要である」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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