感染症別 正しいクスリの使い方

【誤嚥性肺炎】死因6位に…独立してカウントされるようになった

高齢者や脳血管障害の後に起こりやすい

 日本の死因(2021年)は、1位悪性腫瘍、2位心疾患、3位老衰、4位脳血管疾患、5位肺炎、6位誤嚥性肺炎と続きます。

 以前は肺炎の中に誤嚥性肺炎を含めていたため、肺炎で亡くなる方が全体の3位でした。近年は誤嚥性肺炎で亡くなる方が多く、一般的な肺炎と区別する形で、誤嚥性肺炎として独立してカウントされるようになっています。それくらい“身近な病気”といえるのです。

 誤嚥性肺炎の原因菌は、その発症機序からも口腔内細菌が多いと考えられています。治療は通常の細菌性肺炎と同様にペニシリン系抗生物質などを点滴するケースが多いです。原因菌の多くが口腔内細菌ということは、口腔内のケアが予防につながります。

 次回は誤嚥性肺炎の予防について詳しくお話しします。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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