教えて放射線治療 ドクター黒﨑に聞く

放射線科の医師って何をする人なのか…技師との違いは?

黒崎弘正氏(提供写真)

 ですから、「放射線技師の方が正確な診断ができるのではないか」「新人の放射線医師より技師の方が信頼できるのでは」といった疑問をぶつけられることも多々ありました。

 むろん、これは間違いです。そもそも放射線技師と放射線診断医、それに私が務めている放射線治療医とは役割が異なります。同じ職種同士なら優劣がわかることもあるでしょう。しかし、異なる職種ではその差を比べることはできません。

 では、この3者にはどんな役割があるのでしょうか?

 放射線技師は医師の指示のもと画像診断や治療のために機器を操作して放射線照射するのが仕事で、診断はできません。病気が疑われる部分を「がんです」「炎症です」「結核です」といった鑑別診断を行うのが放射線診断医の仕事です。放射線治療医は画像だけでなく診察して、悪性腫瘍が体のどこまで及んでいるのか、などを見極めてどのように治療していくかを考え、治療計画を作り、診察することが仕事となります。

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黒﨑弘正

黒﨑弘正

江戸川病院放射線科部長。1995年、群馬大学医学部卒。医学博士。日本専門医機構認定放射線専門医、日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。JCHO東京新宿メディカルセンターなどの勤務を経て2021年9月から現職。

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