例年の3倍に急増中!「溶連菌」は大人が感染すると重症化リスク大

口腔内に特徴的な所見が現れる

「30代の女性は、38度の発熱と喉の痛みがあったものの病院を受診せず、自宅に余っていた抗生物質を服用していました。翌日熱は下がったのですが、しばらくして足のすねに赤色の斑点ができ、バットで殴られるような痛みがあると来院されました。外見から結節性紅斑と分かり、問診で話を聞くと2週間ほど前に喉の痛みがあったといいます。そこで、血液抗体検査を行ったところ、溶連菌の診断に用いられるASOの数値が上昇していました」

■軽快後に発症する合併症に注意

 溶連菌感染症はウイルス性と異なり細菌性なため自然治癒が難しく、抗生物質での治療が必要だ。ペニシリン系薬剤のアモキシシリンが圧倒的に効果が高いといわれ、1日3回10日間の服用で、除菌効果は90%以上とされている。合併症を防ぐためにも熱が下がったからと自己判断で薬の服用を中断せず、処方された量は全て飲み切ることが重要だ。

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