片頭痛を市販薬でなんとか対処できている人も、時間をつくってぜひとも頭痛外来を受診してほしい。というのも、場合によっては「脳過敏症候群」に移行してしまう恐れがあるからです。
これは、頭痛があるのに適切な診断と治療を受けず、市販の鎮痛薬でだましだまし生活し続ける、もしくは我慢を続けてきた人によく見られるもの。私が2010年にその概念を国際的に提唱。近年、医学のさまざまな分野で注目を集めるようになっています。
慢性頭痛は「脳の過敏状態」が関係しています。片頭痛が代表的ですが、緊張型頭痛も群発型頭痛にも少なからず関係しています。脳が過敏になり、ちょっとした刺激で異常な興奮状態をもたらし、それが頭の痛みという危険信号として表現されます。脳の異常な興奮状態は適切な対処を欠き、放置することで、体にさまざまな不調が生じます。これが「脳過敏症候群」。片頭痛を発症してから長い年月を過ごしてきた人、だいたい40~60代に多いのです。
だからあなたの頭痛は治らない
頭痛持ちが「脳過敏症候群」にならないために気を付けるべきこと
総集編(後編)