だからあなたの頭痛は治らない

頭痛持ちが「脳過敏症候群」にならないために気を付けるべきこと

市販薬で対処できている人でも頭痛外来の受診を

 この年代になると、加齢に伴う動脈硬化で血管が硬くなりこれまでのように広がらなくなります。その結果、血管周囲の三叉神経への刺激が少なくなるため頭痛は少なくなります。しかし、脳の興奮状態は治まっていないため、頭痛の消失後も耳鳴りやめまい、不眠などの症状が現れ始めるのです。脳過敏症候群へ移行しないようにするには、頭痛外来など専門医のもとで脳波の検査を受け、脳波の異常状態が確認されたら、その興奮状態を治める薬を服薬する、刺激の少ない生活指導などの治療を受けることです。

 最後に、21年に発売された3種類の新薬について触れたいと思います。「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」で、「片頭痛の救世主」と呼ぶ人もいるようです。

 いずれも市販薬ではなく、病院の処方薬で、皮下注射となります。また、これらの薬を処方できるのは、日本頭痛学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、日本内科学会、いずれかの専門医として認定されている医師だけ。受診する際は、事前に調べる必要があります。

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清水俊彦

清水俊彦

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

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