お尻がしびれる「梨状筋症候群」は2つのストレッチで予防する

体幹と骨盤の安定化と股関節外転筋の強化エクササイズ(C)日刊ゲンダイ

 ある40代の女性は、約3カ月前からお尻や太ももの裏側にかけての痛みやしびれに悩まされていた。普段から通っているフィットネスクラブのインストラクターに相談すると、梨状筋症候群かもしれないとストレッチポールを用いた梨状筋のストレッチを勧められて自宅で毎日行うように。しかし、日が経つにつれて逆に症状が悪化し、整形外科を受診した。

「近年、梨状筋症候群にはマッサージが効果的といった情報が広まり、とにかくほぐせばいいと、フィットネスクラブなどで患部のマッサージなどを勧める講師も少なくない。しかし、ストレッチポールなどを使ってやり過ぎると、座骨神経がダメージを受けて炎症を起こします。悪化すると痛みやしびれが増し、下肢の感覚が鈍くなったり筋力が低下する恐れがあります」

 梨状筋症候群の明確な診断基準はまだ確立されておらず、診断に難渋するケースも少なくない。お尻に痛みがあれば梨状筋を触診し、圧痛点の有無を確認する。また座骨神経痛は腰部脊柱管狭窄症や腰部椎間板ヘルニアによっても引き起こされるので、鑑別するためにもMRI検査を行う必要がある。

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