高齢者の正しいクスリとの付き合い方

利尿薬が使われる高血圧・心不全・肝硬変には共通点がある

写真はイメージ(C)iStock

 一方、「水利尿」で尿の量を増やすトルバプタンも、心不全や肝硬変に用いられます(高血圧には使えません)が、原則、他のナトリウム利尿の利尿薬で十分に治療されている人にしか使うことができません。トルバプタン単独では使えないのです。つまり、トルバプタンは他の利尿薬で出し切れなかった水分を尿として出すクスリなので、それだけ厳密に水の管理が必要な人に用いられます。

 次回は、利尿薬を使っているときに注意すべき点について紹介します。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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