役に立つオモシロ医学論文

伝統的な日本食には認知機能の低下を予防する効果が? 栄養学の専門誌に論文掲載

バランスのよい食習慣は健康維持にとって重要

 平均で2年にわたる追跡調査の結果、灰白質(脳の神経細胞が集まっている領域)の年間萎縮率は、西洋食を摂取していた女性で0.299%だったのに対して、日本食では0.258%でした。統計解析の結果、日本食を摂取している女性では、灰白質の萎縮率が低いことと関連していました。一方、男性では、食事の摂取パターンと脳の萎縮に明確な関連性を認めませんでした。

 論文著者らは、「日本食の摂取は、女性で脳の萎縮を予防する効果があるかもしれない」としつつも、「男性では食事の摂取パターンと脳の萎縮に関連性を認めず、より長期にわたる追跡調査が必要」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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