独白 愉快な“病人”たち

乳がんで左乳房全摘を経験した女優の小栗香織さん…手術を勧められても「即答はできませんでした」

小栗香織さん(C)日刊ゲンダイ

 全摘手術を決意した一番の理由は、子供の存在です。ステージ1とはいえ、がんは死ぬかもしれない病気。まだまだ死ねないと思い、最善を考えたら残さず取った方がいいという判断になりました。生活のためには仕事にも早く復帰しなければいけないですしね。

 入院は10日間でした。退院して1週間もしないうちに、仕事(出版プロデュース)に復帰しました。まだ痛みが残る中、大変でしたけれど、気分的には多少紛れたので良かった面もありました。

 退院後は通院です。放射線や抗がん剤治療はありませんでしたが、私の乳がんはホルモン過多によるがんなので、ホルモンの分泌を抑える投薬を毎日1粒ずつ、5年間服用し続けました。

 副作用としてむくみやすく、太りやすくなって困りました。生理が止まっちゃうし、体の負担は意外と大きかったです。激しい運動はNGなので、ヨガで体調を整えたり、うつ伏せになれないから椅子に座った状態でマッサージを受けたりしました。肩掛けバッグの紐やシートベルトが胸に当たるのが嫌で、タオルや子供のぬいぐるみを挟んで、当たらないように工夫していました。

 もう飲み終わって3年目で落ち着きましたけれど、1年間ぐらいは薬の影響が体に残っている感じでした。

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