役に立つオモシロ医学論文

最も高血圧になりにくい食事パターンをAIで解析…日本の研究報告

単一の食材ではなく、食事パターンに着目

 その結果、食事パターンは「海産物とアルコール飲料」「低タンパク、低食物繊維、高炭水化物」「乳製品、野菜」「肉」の4つにパターン化されました。また、高血圧の発症リスクは、「海産物とアルコール飲料」を基準とすると、「乳製品・野菜」で61%、「肉」で63%、統計学的にも有意に低下しました。

 これまでの研究において、肉類の摂取は血圧上昇と関連していました。しかし、食事パターンに着目することで、単一の食材とは異なる関係性が明らかにされています。

 論文著者らは「複雑な食事パターンを総合的に解析する手法によって、食事と血圧の関連性をより深く理解できる」と考察しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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