以前、当院でリハビリ治療に取り組んだAさん(男性・当時39歳)のお話の続きです。
Aさんは重症の「脳出血」によって右半身が完全麻痺となり、体の動作は全介助の状態でした。そこから当院で6カ月のリハビリ治療に取り組んだ結果、右半身には麻痺が残ったものの、装具を装着した杖歩行で歩けるようになり、信号も渡れるレベルまで回復。ADL(日常生活動作)の指標も自分でできるまでに向上し、自宅退院が可能になりました。ただ、重度の感覚障害や重度の失語症が残っていて、言語機能面は単語と短文の理解はほぼ可能、発語と書字も単語レベルで一部可能という状態でした。
今度はいよいよ復職に向けた取り組みのスタートです。39歳のAさんは、就労年齢の上限に当たる65歳まで残り25年間もあります。この期間に復職できるのかできないのかで、人生がまったく変わってしまいます。人間は誰かを助けて喜んでもらうことに幸せを感じる生き物で、この“人を助ける活動”こそが仕事だからです。
正解のリハビリ、最善の介護