正解のリハビリ、最善の介護

障害を負った時にどんな「制度」や「給付」が使えるのか?

ねりま健育会病院院長の酒向正春氏(提供写真)(C)日刊ゲンダイ

 リハビリの目的は、病気やケガによって何らかの機能や能力に障害が生じた患者さんに対し、歩行や日常生活動作と作業といった機能と能力を回復させ、「在宅生活や仕事への復帰を目指す」ことにあります。とりわけ18歳から65歳未満の方は、障害を負っても「誰かの役に立つ」と実感し、生きがいを持って人生を歩んでいくために、ぜひ仕事に復帰して欲しいと考えます。そして日本では、そのために有用な制度やサービスが整備されています。

 何らかの障害を負ったとき、年齢に応じて使える制度が変わり、65歳未満では「障害者総合支援法」が定められています。障害のある方が、日常生活や社会生活を営むうえで必要な障害福祉サービスなどが定められた法律です。

 障害福祉サービスは、大きく分けて「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つが中心です。自立支援給付は、在宅介護の支援や、就職のための訓練支援などを組み合わせて利用できます。地域生活支援事業は、障害のある方が地域で日常生活や社会生活を送りやすくするために、各自治体によって行われる支援サービスです。

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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