糖尿病が不安な人の正しい「靴」の選び方…足病変リスクを減らす新健康靴開発者に聞く

アサヒシューズの商品開発部長・塚本裕二氏(提供写真)

「アサヒフットケア(R)」なる靴をご存じか? 佐賀大学医学部とアサヒシューズ㈱が10年かけて共同開発し、一昨年発売した、糖尿病患者の足病変から足を守る機能性シューズだ。糖尿病と診断されると歩行(運動)が推奨されるが、自分に合ってない靴で始めると足病変を起こしてしまう。実際、ある調査によると、糖尿病の足病変の69%は靴ずれが原因だという。人によっては靴ずれの小さな傷口から感染して足の潰瘍・壊疽に発展、足切断になる場合もあるのだから靴選びを軽く考えてはいけない。開発者である、アサヒシューズの塚本裕二商品開発部長に話を聞いた。

「人間の足裏は毎日数千回から1万回近く、地面に叩きつけられています。健康な人はその圧力から逃れるためさまざまな機能を働かせていますが、糖尿病の人はその機能が衰えやすくなります。結果、健康な人とは別の足裏部分に圧力がかかってしまい、その部分の皮膚が肥厚してそれがウオノメやタコとなります。糖尿病の人は毛細血管が細くなったり、消失して自律神経も衰えやすくなる。足の皮膚が乾燥し、肥厚した部分が知らぬ間にひび割れ小さな傷になり、そこから感染して重篤な足病変になってしまうことが多いのです」

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